第5次出入国管理基本計画について

出入国管理基本計画とは、出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づき、法務大臣が出入国管理行政の施策の基本となる計画について定めるものです。
入国管理局に記載されている今回の出入国管理基本計画の基本方針は、

  1. 日本経済社会に活力をもたらす外国人を積極的に受け入れていく
    ・専門的、技術的分野と評価できるものについて、在留資格や上陸許可基準の見直しを行い、受入れを推進(現行方針どおり)
    ・高度人材外国人の受入れ促進のための効果的な広報を実施
    ・建設分野等緊急に対応が必要な分野等における適正な受入れを実施業を所管する省庁の関与を前提とした枠組みの運用状況を注視・検証
    ・留学生の適正・円滑な受入れや就職支援のための取組を継続

  2. 少子高齢化の進展を踏まえた外国人の受入れについて、幅広い観点から政府全体で検討していく
    ・出生率の向上、生産性の向上、潜在的労働力の活用等の取組が必要
    ・今後の外国人受入れの在り方を本格的に検討すべき時が到来
    ・日本の経済社会の変化等に伴い、新たに人材のニーズが生じる分野が専門的・技術的分野と評価できる場合には受入れを検討
    ・専門的・技術的分野と評価されない外国人の受入れについては、経済的効果、社会的コスト、産業構造、適切な仕組み、環境整備、治安等幅広い観点から国民的コンセンサスを踏まえつつ政府全体で検討(結論は予断せず)
    このため、諸外国の制度等について把握し、国民の声を積極的に聴取

  3. 開発途上国等への国際貢献の推進を図る観点から、新たな技能実習制度を構築する
    (1) 適正化のための措置
    ・実習修了時等に技能評価試験の受検義務付け等により効果測定を実施
    ・外部役員又は外部監査の導入等により監査体制を強化
    ・法令上の根拠を有する管理運用機関を創設し、行政機関の役割を補完
    ・人権侵害等を行う団体・機関に対する罰則の整備等対応を強化
    ・送出し国政府との政府間取決めの作成など、送出し段階から適正化
    (2) 制度の拡充
    ・優良な団体・機関の実習生の実習期間を延長
    ・優良な団体・機関の受入れ人数枠を拡大
    ・送出し国側のニーズ等に即して対象職種を拡大

  4. 受け入れた外国人との共生社会の実現に貢献していく
    ・地方公共団体との情報連携の適正な運用と更なる連携の強化
    ・外国人を受け入れる際に共生のための施策を講じておくことが重要であり、共生社会の実現に向けた取組に積極的に参画

  5. 観光立国の実現に寄与するため、訪日外国人の出入国手続を迅速かつ円滑に実施する
    ・効果的な広報により自動化ゲート利用者の増加を図るとともに円滑に運用
    ・「信頼できる渡航者」を自動化ゲート対象とする制度の円滑かつ効率的な運用に向けた取組の推進
    ・顔認証技術を活用した日本人用自動化ゲートの導入を速やかに検討
    ・クルーズ船乗客に対する円滑な入国審査手続を実施
    ・航空機の旅客を外国の空港で事前にチェックするプレクリアランスの検討

  6. 安全・安心な社会の実現のため、厳格かつ適切な入国審査と不法滞在者等への対策を強化していく
    (1) テロリスト等の入国を確実に阻止するための水際対策
    ・個人識別情報を活用した上陸審査を推進するとともに、顔写真の水際対策への活用等新たな技術の運用を検討
    ・乗客予約記録(PNR)を含む情報を効果的に活用するなど、出入国管理に関するインテリジェンス(情報収集・分析)機能を強化
    ・海港や沿岸地域における積極的なパトロールの実施など船舶等を使った不法入国者への対策を強化
    (2) 国内に不法滞在・偽装滞在する者への対策の推進
    ・警察等捜査機関と連携し、不法滞在者等に対する摘発を実施するとともに、情報を活用した事実の調査等により偽装滞在者対策を強化
    ・被収容者の適正な処遇及び迅速な送還の実施

  7. 国際社会の一員として,難民の適正かつ迅速な庇護の推進を図っていく
    (1) 真に庇護すべき者を迅速かつ確実に庇護するための取組
    ・「新しい形態の迫害」に係る保護を図るための仕組みを構築
    ・国際的動向・国際人権法規範を踏まえた「待避機会」としての在留を許可する対象の明確化を検討
    ・認定判断の明確化及び制度の透明性の向上
    ・審査体制・基盤の強化及び出身国情報等の収集・分析体制の充実
    ・UNHCR等との連携による研修の充実・強化により専門的人材を育成
    ・難民条約上の難民に明らかに該当しない内容の申請等については、申請者が十分主張を行う機会を確保しつつ、迅速に処理
    ・難民申請中の就労許可について、一定の条件を設ける仕組みを検討
    ・濫用的再申請への対応について、法制度・運用両面から検討を継続
    (2)第三国定住による難民の円滑な受入れを推進

  8. その他
    ・出入国管理体制を整備、国際協力を更に推進、人身取引被害者等への配慮